府民文化常任委員会 質疑(8)

令和4年10月14日

府内の歴史的観光資源について

西村日加留:
府内各地には歴史的な魅力が数多くあり、観光客はもちろん、府民にもあまり知られてないものがたくさんあります。例えば、平安時代中期から鎌倉初期にかけて、貴族を中心に熊野信仰が盛んになり、やがて武士や庶民にまで信仰が広がったと言われ、大勢の人々が街道を往来したことから「蟻の熊野詣」と呼ばれた熊野街道があります。この街道は、現在の八軒家船着場付近にあったとされる渡辺の津から熊野三山へ至る古道であり、和歌山県が世界遺産になって注目されておりますが、起点は大阪にある。こうしたこともあまり知られておりません。
大阪府のホームページには載せておりますが、あまり府民の方にも知られていない。このように、掘り返せば魅力あふれる文化や歴史がたくさんあるこの大阪において、国内外の歴史ファンをはじめ、これまで以上に多くの方々に興味を持ってもらい、大阪の魅力を知り、大阪を訪れるきっかけになればと思います。
 府域の山道や明治初期まで盛んであった歴史をどのように情報発信をしていくのか、お伺いをします。

橋口勝己 魅力づくり推進課長:
府内各地に存在します歴史、文化といった多様な地域資源につきまして、多くの方に知っていただき、訪れてもらうためには、その魅力の向上と効果的な発信が重要であると認識しております。
そのため、府では、市町村等が行う魅力向上に資する事業などへの支援を継続的に行っており、委員お示しの熊野街道につきましても、これまで景観保全・魅力創出に係る地元の観光協会の取組等に対して補助を行うなど、魅力の向上を図ってきたところでございます。
また、大阪ミュージアムにおきましては、府内各地の多様な地域資源を掘り起こし、ホームページやSNS等で発信しておりますが、価値が見過ごされてきた地域資源につきましても、歴史的な背景等を含め、その魅力をさらに分かりやすく発信してまいります。
今後とも、歴史をはじめとしました府内各地の観光資源の魅力を多くの方に知っていただきますよう、市町村等とも連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。

西村日加留:
繰り返しますが、大阪には十分に知られていない歴史や文化がたくさんありますので、発信していくことが、ひいては観光資源につながると思いますので、どうぞ促進のほどお願いいたします。
府内には、歴史や文化などのテーマで結ぶことのできる資源が数多くある。例えば、かつての摂津、河内、泉州というものを結んだ摂河泉という言葉が明治頃ではよく使われておりました。それは、一宮といって、その国で最も格式の高い神社が置かれていた。府内では、摂津の一宮である住吉大社、河内の枚岡神社、泉州の大鳥大社が一宮とされています。このような摂河泉をルーツにテーマで結ぶスポットをつくる。例えば、三国の社寺巡礼といったように、街道を巡るという発想も発信していけば、また一つ府域の集客を促進すると思います。
これまでどのような取組を行ってきたのか、お伺いいたします。

橋口勝己 魅力づくり推進課長:
府域周遊の促進を図るために、寺社や史跡などを歴史やテーマでつなげて発信することは、重要であると認識しております。
このため、府では、聖徳太子や楠木正成といった大阪にゆかりのある歴史上の人物やその史跡等につきまして、歴史上の人物ゆかりの地としてホームページで紹介しております。
また、観光ガイドブック「DISCOVER OSAKA」におきましては、大阪の魅力的な観光スポット等をテーマに沿って紹介しており、観光客が多く訪れる観光案内所や宿泊施設等で配布しているところでございます。
今後とも、魅力的な観光スポットを歴史や文化といったテーマにより結びつけ、広く発信することで様々な層の方に府域を巡っていただけるようしっかりと取り組んでまいります。

西村日加留:
改めて発掘、発信していく、テーマでつなぐということは非常に重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
先ほどもお伝えした摂河泉、そして大和の国を治めたのは、大阪にゆかりの深い武将、天下人でもある三好長慶であり、今年が三好長慶の生誕五百周年を迎えます。この機を捉え、三好長慶の関係の深い各市町村の機運醸成に向け、取組に力を入れていくべきだと思います。例えば、大東市でも、漫画の冊子を発行したり、高槻市や、私の地元の堺市でも、多くのゆかりの地が独自でPRしております。

このモニターにあるとおり、三好長慶を大河ドラマにというのぼりなんですが、この後ろにあるのは顕本寺といいまして、この三好長慶の師であった元長が自決した、十文字切腹した寺であります。
そのように、地元は独自でこの大河に、五十周年にかけてしっかり取り組んでおりますので、それぞれの機運向上を、大阪府が後押しする形で何かできないかと思いまして。先ほどの摂河泉もそうです、繰り返しますが、三好長慶が治めたのは、摂河泉プラス大和の国、奈良であります。どうか皆さん、都市魅力推進という部分で後押しする府の取組をお伺いします。

橋口勝己 魅力づくり推進課長:
委員お示しの三好長慶につきましては、根強い人気があり、府内各地にゆかりの地があることから、その史跡に焦点を当てて発信することや、市町村が行う取組を支援していくことは重要であると認識しております。
このため、先ほど紹介しました歴史上の人物ゆかりの地におきまして、三好長慶についても、ゆかりの深いスポットやその魅力を関係市とも連携して発信しているところでございます。
また、三好長慶とつながりの深い飯盛城につきましては、ARやVRにより当時の姿を再現する大東市の取組に対しまして補助を行うなど、市町村の取組についても支援しているところでございます。
今後とも、大阪と関係の深い人物や史跡等につきまして、機を捉えた情報発信や市町村の取組への支援等によりまして、その魅力を多くの方に知っていただけるようしっかりと取り組んでまいります。

西村日加留:
飯盛城跡や芥川城跡、加えて堺市の南宗寺など、府内各地に点在する長慶ゆかりの地がたくさんあります。今日の朝、府のホームページを確認し、三好長慶ゆかりのというとこに、前でしたら文化人であった、天下人であったというだけだったんですが、すごくもったいなく感じて、答弁調整のときにお伝えしたら、早速今日、変わっていたんですが。文化人とは何だと、長慶が。茶人でありました。また、連歌をたしなみ、造詣が深い文化人であったということ。この五百周年も、茶であったり、連歌というのを見直すことで、また発信に寄与すると思っております。
プラスして、三好長慶と、ちょうど今年、千利休も、生誕五百周年と言われます。そして、この千利休の師である武野紹鴎、この武野紹鴎を紹介したのは長慶の弟であります。そういうような物語がたくさんありますので、大阪にも、堺にも。こういうことをもっと伝えればもっと魅力が膨らむと思っております。

そこでなんですが、この酒は、長慶と千利休で、堺が売り出している、各市町村がPRしているものなんですが。この酒なんですが。これ私の地元、氏子でもあるんで、方違神社の中にある。三国ケ丘、三国の丘と書いておりまして。まさに堺は、摂河泉の境目であったから堺であり、長慶の拠点でもあったということであります。
また、堺には、今もなお旧道が四つありまして、最古の古道、竹内街道であったり、西高野街道、熊野古道、紀州街道、長尾街道といった人々が往来した堺でありますので、それは堺がもっとPRするべきでありますが、そのようなことがたくさんありますので、南から北から大阪は魅力がたくさんありますので、どうぞこの機会を捉えてよろしくお願いいたします。

万博に向けて、府内周遊のきっかけになるモニュメント等について要望

西村日加留:
話はごろっと変わりますが、先ほど歴史的なものがたくさんあると言ったんですが、大阪万博を機会に、府内周遊についてお伺いいたします。
万博開催期間は国内外からたくさんの観光客が訪れると思いますが、万博を訪れた方々に、会場のみならず府域を巡ってもらう作戦といいますか、歴史や文化だけではなく、大阪で何かできないかと思いまして、この大阪で。

皆さん、このモニターにあるイカキングっていうのを知ってますか。石川県の能登町でいろいろ話題になっているんですが、コロナ交付金を使ってこのモニュメントを造り、最初は、無駄遣いであったりいろいろ言われたんですが、結果的に、経済効果が六億円、建設費の二十二倍、この経済効果はどうやって試算したかといううわさもあるんですが、というお話もある。

そして、より有名なのがこのガンダム、横浜、東京、また最近では九州の福岡のほうでも、ショッピングモールに建てられたと聞いております。また、中国のショッピングモールにもこのガンダムができている。ということは、世界がこのような--これ鉄人ですね--このような大きなモニュメントを造れば、それなりに評価が出ているということでありまして。私、この質問をさしてもらってるので、歴史や文化てほんと大切だと思っているんですが、一方で万博に向けて何かインパクトのあるもの、大阪らしいもん、楽しいもんができないかと思います。

たとえば、太陽の塔の小さいものを大阪府内にたくさん置く、隅っこの太陽の塔みたいなのが昔、ちょっとはやって、私も何個か持っているのですが、表情豊かな太陽の塔とかを、大阪の市内ではなく各地に点在させれば、またそれも面白いのかなと思っておりまして、ぜひとも、府内周遊のきっかけになるものを何か、御検討よろしくお願いできればと思っております。

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