本会議 一般質問(6)

令和3年12月2日

旧真田山陸軍墓地管理、維持保全に関する要望

日本で最初に設置された軍用墓地

西村日加留:
旧真田山陸軍墓地管理、維持保全に関する要望をさせていただきます。
大阪市に所在する旧真田山陸軍墓地は、明治四年に帝国陸軍創設とともに日本で最初に設置された軍用墓地であり、陸軍創設期に亡くなった兵士をはじめ、西南戦争や日清・日露、大東亜戦争における軍人、軍夫の戦死者、病死者など、外国人の俘虜の墓碑もあり、国の命により戦いに行った御英霊、その使命を果たすために殉じた五千を超える墓碑や、八千を超える方々が眠る納骨堂など、全国でも最大規模のものであります。

現在、当墓地は、昭和二十一年六月、大蔵次官・内務次官通知「旧陸軍墓地の処理に関する件」により、同年八月から大阪市と国が国有財産無償貸付契約を締結し、契約に基づき、市が善良なる管理者の注意義務をもって、当墓地の除草や清掃、緊急修繕などを行っています。
また、昭和二十二年には、当墓地の維持管理や祭祀などを実施する団体が設立され、現在では、公益財団法人真田山陸軍墓地維持会等様々な方が、除草や清掃等、環境維持活動をはじめ、崩壊の危機に直面している墓碑の修復事業や、当墓地見学者などに対する案内、普及啓発運動と併せて、若い世代に引き継ぐための活動も行われております。

破損、風化などが著しいが、人手や資金には限界が

しかしながら、当墓地創設以来百五十年近くが経過しており、大阪市が維持管理を担って以来、約七十五年の時間が経過しております。墓碑についても、破損、風化などが著しく、昭和十八年に建立の納骨堂についても建物の傷みが相当進んでおります。地元自治体や維持管理団体による維持管理では、人手や資金に限界があり、十分な対策ができていないのが現実であります。

大阪市では、平成三十年十一月に、当時の大阪市長であった吉村市長の時代に、石の補修や国立墓地としての再整備を求める要望書を提出したと聞いておりますが、現在もいまだ課題解決に至っておりません。
当墓地をはじめ、国から無償貸付等を受け地方公共団体が維持管理している旧軍人墓地は、全国に八十か所以上あると聞いており、こうした墓地、墓碑の存在は、二十世紀の歴史を考える上で大変重要な場所となっており、後世に引き継ぐためにも、国立墓地としての再整備が極めて重要であります。また、陸軍墓地は、もともと国により創設されたもの、陸軍省が管理を行っていたことから、国において管理、維持保全を行うことが責務だと考えております。

国立墓地としての再整備が極めて重要

大阪府におきましても、大阪市が平成三十年十一月、当時の安倍総理に対して行った要望が一日でも早く現実となるよう、大阪府として市町村支援の立場から、市の要望を早期に実現するよう働きかけ、支援をぜひともお願いいたします。
また、多くのお墓は、二十歳前後の若い方々が眠っておられます。この方々の親が亡くなれば、面倒を見る方が途絶えます。私は、全国津々浦々ある剣型や軍人さんのお墓が無縁仏になり朽ちている状況、御英霊の墓碑への対応は全国的な問題だと考えております。現代に生きる我々が直面した大きな課題と認識しております。

世界各国同様、自国の英霊を尊敬し、敬意を

世界各国は、自国の英霊を尊敬し、敬意を表しています。このような問題を、大阪が先んじて行動する取組、まずは大阪府内市町村と認識を共有するとともに、府内公営墓地、共同墓地、お寺、団体等と連携を図り、まずは点在する剣型、軍人さんのお墓、碑の調査、現状把握を行うことが喫緊の急務であります。ぜひとも、府内市町村への支援とともに、取組のほどをお願いいたします。
私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

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