令和4年3月14日
生物多様性地域戦略について
西村日加留:
生物多様性地域戦略についてお伺いします。
生物多様性は、私たちの暮らしに欠かすことができないものであり、生物多様性から得られる様々な恵みを将来世代も含めた全ての人が受けるよう維持し、充実を図ることが必要である。しかし、地域によって様々な課題があり、その実情に合わせた対策が必要であることから、府が今後の取組を進めるに当たっては、地域戦略が非常に重要であると考えます。
生物多様性地域戦略については、大阪府環境審議会の部会において専門家により議論を行っていただき、令和四年一月に答申を受け、年度内に策定すると聞いております。そこで、まず今回新たに策定される戦略の内容についてお伺いします。
田中俊行 みどり企画課長:
新たに策定する生物多様性地域戦略は、府におけるこれまでの生物多様性保全への取組に係る課題を踏まえ、自然の恵みに関する意識の向上、事業者等と連携した保全活動の推進、特定外来生物の防除の推進など六つの目標を設定いたしました。その目標を達成するために、施策の基本方針として、生物多様性の理解と生物多様性に資する行動の促進、自然資本の持続可能な利用、維持、充実、生物多様性保全に資する仕組みづくりの推進の三項目を定めました。
本施策の基本方針に基づき、消費者視点での生物多様性と暮らしに関わる情報発信ツールである生物多様性なびの提供や、五感による自然の体感を通じた普及啓発により、生物多様性の日常化、身近化を進め、生物多様性に資する行動を促進していきます。
策定された生物多様性地域戦略
・大阪府生物多様性地域戦略(概要)
・大阪府生物多様性地域戦略
外来生物への対応について
西村日加留:
現在策定中の生物多様性戦略の目標や基本方針については分かりました。
私は、九月の環境農林水産常任委員会において、外来生物が大阪の多様な生態系に与える様々な被害を府民に理解していただくことが重要であると発言したところ、府から、情報発信や活動の場の提供など、あらゆる機会を通じて外来生物に関する興味や関心を持っていただき、早期の発見や駆除などの行動につなげていただくよう取り組むと答弁をいただきました。
そこで、府の生物多様性戦略において、外来生物に対してどのように取り組むこととしているのか、お伺いします。
田中俊行 みどり企画課長:
現在、大阪府内においては、ヒアリやクビアカツヤカミキリなどの特定外来生物が三十二種確認されている状況でございます。そのため、生物多様性地域戦略において、生態系をはじめ、生活環境や農業への被害の大きさなどによってランクづけをした大阪府外来生物アラートリストを作成することとしております。アラートリストの作成により、府民等に対し、警戒が必要な種に対する取組への優先度を分かりやすく示すとともに、ランクの上位のものから防除対策を実施することにより、効果的な防除を進めていきます。
また、新たに府内に侵入するおそれのある外来生物の生態や防除方法に関する情報収集を行い、SNS等を活用した啓発を進め、外来生物の早期発見、早期防除に努めていくこととしております。
西村日加留:
ランクづけしたアラートリストの作成は本当に大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。まずは、戦略に基づき、しっかりと取り組んでいただきますよう、よろしくお願いします。
次に、具体的な防除の取組についてお伺いします。
最近、府民に身近なお城の堀や地域の川では、アカミミガメやコイなどの外来種をよく見るようになりました。というのも、そもそも、私の地元の川もそうですが、河川、池を見たら、ほぼ外来種しかいません。それが当たり前のようになっております。
そこで、府が積極的に中心となり、府民に対策の重要性や防除の方法を示すため、思い切った取組を行っていくのも一つの案ではないかと考えます。例えば、最近、バラエティー番組でも、池の水を抜いて外来生物を排除する取組が取り上げられており、府民が理解しやすい、このような取組が必要ではないかと考えます。
今後、府民の興味や関心を促し、早期発見や駆除への理解と行動につながるよう取組を進めていくことが必要であると考えますが、御所見をお願いします。
田中俊行 みどり企画課長:
外来生物の防除に向けては、府内に生息、生育する外来生物の種類や、それらが与える様々な影響について、正しく府民に知っていただくことが重要でございます。
このため、イタセンパラの保護を通じて外来生物が在来の希少種や生態系に与える影響を啓発するほか、府民参加による外来生物の駆除活動等を進めてきたところでございます。
さらに、策定を進めている生物多様性地域戦略では、府民やNPO等の多様な主体の参加による、外来種など生物の生息状況に関するデータ収集の取組を通じて、外来生物に対する理解を深めることとしております。
また、池の水を抜いて天日干しにするかいぼりの手法も参考にするなど、今後とも様々な場面で、府民に分かりやすい活動を広げていくことにより、興味や関心を醸成し、さらなる理解と行動につなげていくよう取り組んでまいります。
西村日加留:
今、かいぼりとお聞きしました。これは、農業用のためのため池を維持するために行われてきた日本の伝統的な管理方法であり、稲作が終わる晩秋、秋の終わり頃から春先にかけて農閑期に行われることが多かったと聞いております。本当に昔の人は偉かった、こういうやり方をそもそも持っていたということになりまして、それを見習うのが一番手っ取り早いなと私は思っております。
この生物多様性地域戦略、外来種対策を本気でやるなら、繰り返しますが、そもそも川、池を見たら外来種しかいてないので、地図上で戦略を立てて、思いっ切り水を抜いて駆除することが、府民にも分かりやすいですし、そのときのやり方として、その地域の人も巻き込んで、また学校も巻き込んでもいいと思いますし、そういう教育にもなるし、このかいぼりが一番いいのかなと思います。
ぜひ御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。