府民文化常任委員会 質疑(3)

令和元年10月10日

性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例案について

西村日加留:
性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例案についてお聞きします。
昨今、性的マイノリティーに関する報道等もふえてきたこともあり、LGBT等の言葉の認知度は以前にも増して広がっているように思う。
しかし、私は、それを単なる言葉の言いかえ、つまり、今までの侮蔑的な呼び名が別の呼び名に変わっただけということで終わらしてはいけないと考えています。単に言葉としてLGBTの認知度が上がるだけでなく、性には多様な形があるということを正しく理解するということが非常に重要と考えます。

つまり、性的指向や性自認ということは、本人の意思で選んだり、変えたりできるものではなく、また矯正したり治療したりするものではない、このことが十分に理解されているのかが甚だ疑問です。
性的マイノリティーの人々に対する誤解や偏見、差別をなくし、当事者が直面している難題を解消するには、まずは、性のあり方は人それぞれであることや、性的マイノリティーの人々は身近に存在することを正しく理解し、考え、そして行動していくことが、理解するということにつながると思います。

そこでお尋ねしますが、性の多様性について府民の理解の増進を図るため、大阪府はどのように取り組んでいるのでしょうか。また、条例制定を契機として、どのように進めていこうとしているのでしょうか、人権企画課長にお伺いします。

神田幸一 人権企画課長:
性的マイノリティーについての取り組みといたしましては、大阪府では、平成二十九年三月に、性的マイノリティーの人権問題についての理解増進に向けた取り組みを取りまとめ、府民意識の啓発等に取り組んでまいりました。

例を挙げますと、啓発チラシや、著名な当事者であるはるな愛さんなどによる対談誌の発行、府民向けの講演会や大学と連携した啓発イベント等を開催したほか、当事者への配慮の取り組みとして、府の行政文書における性別記載欄の点検、見直しを実施しました。
西村委員御指摘の府民の理解がより一層進みますよう、条例制定を機に、教育、啓発につきまして、さまざまな媒体、手法を効果的に活用しながら努めてまいります。

西村日加留:
府民にわかりやすい啓発となるよう、さまざまな工夫を凝らしながら取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、府職員に対する理解増進の取り組みについてお伺いします。
今回の条例案では、府が実施する事務事業において、性の多様性について配慮するよう努めることが規定されています。
そのためには、府の事務事業を企画、立案、実行される府職員一人一人が性的マイノリティーの人々について十分に理解し、適切に対応、行動することが大切だと思います。
性的マイノリティーの理解増進に向けての府職員に対する取り組みをどのように進めているのでしょうか、人権企画課長に伺います。

神田幸一 人権企画課長:
府職員に対する理解増進につきましては、これまで、職員向けのリーフレットを作成するほか、基礎知識を身につけるための講義型研修、当事者に対してどのような配慮ができるかについてのグループワークや、実際に当事者が不快に感じた事例を題材としたケーススタディーなど、さまざまな形式の研修を一般職員向け、管理職向けなど、職階別に実施してきました。

今後は、府職員一人一人が性的マイノリティーの人権に対する正しい知識を十分に理解し、当事者に寄り添った適切な対応ができるよう、啓発や研修の機会、内容、ツール等をより一層工夫することでさらなる充実に努めてまいります。

西村日加留:
性的マイノリティーの方については、さまざまな調査によって異なりますが、人口の3%から8%の割合と言われています。
仮に3%として、35人学級に1人という計算になります。決して、身近に存在しないということではないです。

誰しも、全ての人が自分らしく生きることができるのはすばらしいことだと思います。その中で共存共栄していく社会を深く考えなくてはいけません。私自身も勉強不足ではありますが、このような方が少しでも少なくなるよう、性的マイノリティーの人権について引き続き取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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