府民文化常任委員会 質疑(4)

令和元年10月10日

大阪文化芸術フェス事業について

西村日加留:
大阪文化芸術フェス事業についてお聞きします。
昨年、秋に開催された大阪文化芸術フェス2018について、この2月、府民文化常任委員会において、我が会派の冨田議員から、受託事業者の提案したプログラムが、実際にはほとんどが変更されたことや、受託事業者が赤字を押しつけられたことなど、事業の進め方についての問題を指摘したが、改めて、この大阪文化芸術フェス事業の趣旨、目的、そして事業の実施体制について、文化課長にお尋ね申し上げます。

橋本貴仁 文化課長:
大阪文化芸術フェスについてお答えいたします。
大阪文化芸術フェスは、大阪都市魅力創造戦略2020及び第4次大阪府文化振興計画に基づき、文化を核として、大阪の都市魅力を創造し、広く国内外に発信することを目的に、平成29年度から実施しています。

府内のホール、劇場や公園において、大阪が誇る上方伝統芸能や上方演芸を初め、すぐれた音楽、演劇、ファッション、アート等、多彩で豊かな大阪の文化魅力を広く国内外に発信し、インバウンドを含めた多くの観光客を呼び込むことで、国際エンターテインメント都市の実現を目指しています。
 事業の実施に当たっては、大阪市や経済界などと大阪文化芸術フェス実行委員会を立ち上げ、在阪放送局9社とも連携するなど、オール大阪の体制で事業に取り組んでいます。

今年度におきましても、万博記念公園や府内の各会場において、伝統芸能や音楽、演劇を初め、ファッションショーなど、多彩なプログラムを9月16日から11月17日までの2カ月の間、実施しております。

今年度、事業の進め方について

西村日加留:
大阪文化芸術フェス事業の趣旨、目的については理解しましたが、この2月議会において、府民文化部長から、文化芸術フェスで大阪を盛り上げたい、さらに大阪を盛り上げるには、民間事業者とウイン・ウインにならないと事業が円滑に進まないと思うので、両者が得するように、今後しっかりと考えてまいりますとの趣旨の答弁をいただいている。この点について、事業の実施方法など、今年度どのように取り組んでいくか、文化課長にお尋ねします。

橋本貴仁 文化課長:
大阪文化芸術フェス事業の企画調整・運営業務につきましては、プロポーザル方式で受託事業者を募集し、選定を行っております。
事業を円滑に進めていくためには、受託事業者と十分コミュニケーションをとりながら進めることが重要と考えております。このため、今年度の事業者募集に当たりましては、事業者にしっかりと意図が伝わるよう、募集要項や仕様書において、事業の趣旨や条件を詳しくお示しするなど、工夫を行っております。
具体的には、プログラムに求める内容や、実施に当たっては、事業者と協議の上、提案内容から変更や追加の可能性があること、プログラムは実行委員会が興行リスクを負わない内容であることなど、詳しく記載し、事業者の募集、選定を行っておるところでございます。
また、事業者決定後も、事業者としっかり協議しながら事業を進めているところでございます。

大阪文化芸術フェスについて指摘のあった監査結果について

西村日加留:
民間事業者に詳しく条件を示すなど、一定の改善が見られることはわかりましたが、今後も民間事業者が安心して事業を受託できる環境を整えていただきたい。
ところで先日、監査結果が公表され、大阪文化芸術フェスについて指摘されているが、どのような内容であったか、文化課長にお尋ねします。

橋本貴仁 文化課長:
監査結果につきましては、平成三十年度の大阪文化芸術フェス事業につきまして指摘を受けたものでございます。

検出事項といたしましては、本事業の実施主体は実行委員会であるが、事務局職員は文化課の職員のみで構成され、ほとんどのプログラムが事務局主導のもと、事業者の提案と異なる内容で実施されていた。また、実行委員会構成団体のうち負担金を支出しているのは府のみであった。このような状況にあっては、本事業は実質的に府が実施している事業であると言わざるを得ないというものでございました。

また、改善を求める事項につきましては、実質的に府が事業を実施していると言わざるを得ないことから、実行委員会形式ではなく、府が法令や府の規程等に基づき直営で事務を執行されたい。引き続き、実行委員会形式により事業を実施する場合は、各構成団体が責任と応分の費用を負担するとともに、事務局への参画も含め、実施体制を整えられたい。あわせて、公募型プロポーザル方式の実施について、府の取り扱いに準じた運用を行われたいとの意見をいただきました。

今後、大阪文化芸術フェス事業の進め方について

西村日加留:
監査での結果を受け、今後、大阪文化芸術フェスをどのようにしようと考えているか、文化課長にお伺いします。

橋本貴仁 文化課長:
監査結果につきましては、主に実行委員会の体制について指摘されたものであり、大阪文化芸術フェスは、多彩で豊かな文化魅力を国内外に発信し、インバウンドを初め多くの観光客を呼び込んでいくとの目的を達成していくには、経済団体を初め関係団体とオール大阪の体制で取り組むことが効果的であるとの考えから、実行委員会方式としております。

事業の実施に当たりましては、これまでも、実行委員会の構成団体が会場の無償提供やホームページ、SNSを通じた広報活動などを行っていただいており、今後さらに、各構成団体と意思疎通を図りながら運営に努めていくとともに、実施体制につきましても、各構成団体と十分協議しながら検討してまいります。
また、プロポーザル方式につきましては、昨年度のプログラムでは、受託事業者と協議調整し、実行委員会に諮った上でプログラムの見直しを行ったものでございますが、引き続き府の取り扱いに準じて実施してまいります。

今後とも、議員の方々や監査委員を初め、いただいた御意見にも耳を傾けながら、大阪文化芸術フェスが多くの方々に愛され、大阪の文化イベントとして定着し、大阪の魅力を発信する事業となるようしっかり取り組んでまいります。

西村日加留:
よろしくお願いいたします。

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