令和4年10月14日
IR(大阪カジノ) 事業。取り止めの際の補償等について
西村日加留:
IRについてお伺いします。
区域整備計画では、IR事業の工程について、二〇二二年秋以降に国による区域整備計画の認定、準備等が進むと聞いており、二〇二三年春から夏頃に工事の発注及び着手を想定しているとのことであります。
仮に、二〇二三年六月時点で、仮に政治的判断でIR事業を打ち切ると府市が判断した場合、府市がIR事業者に対して補償することになる金額等をどのように試算するのか、お伺いいたします。
長野康宏 推進課長:
IRは、長期間にわたって、安定的で継続的な事業の実施が確保されることが前提であり、大阪夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に関する条例や実施方針等において、事業期間を三十五年間としております。
また、同条例等におきまして、事業者の債務不履行等による解除事由に該当する場合など、継続判断基準を定めているところです。
一方で、IR事業が適切に運営されているにもかかわらず、継続判断基準によらず、認定の取消しの申請を行い、認定が取り消された場合には、事業者が将来得られるべき利益を除いて、事業者が現実に被った通常生ずべき損害を事業者に補償することとしておりますが、当然、その時期や具体的な状況などを踏まえ、慎重に検討協議等を行った上で判断されるものと考えております。
西村日加留:
つまり、こちらの都合によりIRを継続しないとした場合、IR事業者が将来得ると試算する利益は補償するものではないということでよろしいでしょうか。
長野康宏 推進課長:
事業者への損害の補償についてですが、先ほど御答弁いたしましたとおり、IR事業者が将来得られるべき利益を除いて、現実に被った通常生ずべき損害を事業者に補償することとしております。
西村日加留:
仮の話でありますが、想定、シミュレーションということで質問さしていただいております。仮に撤退するならば、早ければ早いほど事業者への負担、補償が少なくて済むということで、一定分かりましたということになります。
次に、IRでは、飲食や物販、また宿、エンタメ等完成させられた囲い込むというビジネススタイルで、IRに来た方が外に出られない。IRに来たからといってほかに人が流れるという設定ではないスタイルだと私は認識しております。しかしながら、大阪のIRは、国内外から毎年約二千万人の来場者が訪れる大規模収容施設で、またIRの来訪者を日本各地の観光地へ送り出すと考えていると聞いております。大阪IRでは、どのような送客施設を計画しているのか、お伺いいたします。
長野康宏 推進課長:
大阪IRでは、IRへの来訪者を大阪府域や関西・西日本・日本各地に送り出し、IR立地に伴う集客効果を各地に相乗的に波及させることとしております。
その中核を担う送客施設の関西ツーリズムセンターでは、最新の観光情報を紹介する質の高いショーケース機能や、旅行の企画・提案・手配をワンストップサービスで提供するコンシェルジュ機能を備えますとともに、また大規模なバスターミナルや、海上アクセス拠点等を整備し、日本各地へ送客していくこととしております。
さらには、送客施設への誘客強化、来訪者に対する日本観光への関心・興味の喚起、来訪者への効率的・効果的な予約方法などに取り組むこととしておりまして、日本観光のゲートウエーの形成を目指してまいります。
西村日加留:
ありがとうございます。しかしながら、七割の方が日本客で想定されるという話に変わっていきますが、さらに二〇一九年二月十二日のIR推進局の試算から二〇二一年十二月二十一日の副首都推進本部会議での試算で、なぜか、平米数や客数、大幅に減少しているにもかかわらず、経済の波及や来訪者が増える試算になっているのは、私にはちょっと理解できないということであります。
そして、IRに呼び込み、IR外に送り出すという想定は、日本人がほとんどということになるように思います。そしてまた、大阪府民や近隣府市の方が中心になるかと思います。このIRの消費行動を完成するビジネスモデルが定着し、実施されれば、果たしてIR外に、大阪・関西の経済に波及するのでしょうか。むしろ、本来のIR外での消費を奪ってしまうのではないかと思います。逆に、IR外での消費が伸びるのであれば、それはIRの売上げが下がるということで、それはそれで期待される納付金が下がるということになるかと思います。
IR(大阪カジノ) 事業 依存症対策費用の税金使用について。
西村日加留:
次に移ります。ギャンブル等依存症対策について、区域計画では、仮称大阪依存症センターを設置し、総合的な支援体制の強化・充実を図るとなっています。ギャンブル等依存症対策は、事業者による納付金により必要な経費が賄えると思われます。同センターの設置に向けて、準備等またそのための必要な経費はどうなるのか、お答え願います。
西島由美 企画課長:
仮称大阪依存症センターにつきましては、今後、担当部局において、IR開業前の設置を目指し、区域認定後、外部有識者を含めた検討の場を速やかに立ち上げ、具体的なサービスの内容や提供体制の詳細について検討が行われるものと認識しております。
その予算につきましては、区域整備計画にも先行準備費として位置づけており、関係部局と連携しながら、必要な予算が確保できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
西村日加留:
先行準備費の中で依存症対策をするということですが、先日、国へ提出した準備計画では、要求基準の十五で、カジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行うための措置等がIR事業者に求められています。ここには、IR施設外での普及・相談、さらには治療及び回復につながる取組も含まれていると思います。
一方で、府市に関しては、要求基準の十七の認定都道府県等入場料納入金・認定都道府県等納付金の見込額及び使途のところで、IRの納付金を依存症対策の財源とする旨が書かれておりました。大阪府市の行う依存症対策は、国への準備計画において、IR事業者からの納付金で賄うように書かれておりますが、あくまで府市の税金で負担するということに読めません。依存症対策への基金を作り、それで行うということは、負担者が変わり、結果的に整備計画が、言葉を選びませんと言いますと、国に提出した申請が虚偽に書かれているように思われますが、いかがでしょうか。
西島由美 企画課長:
納付金等の使途につきましては、約五十五億円をIR立地によって必要となる用途に使うということになっておりまして、ギャンブル等依存症対策につきましても、約十四億円をその用途に使用するというふうな計画になっております。
西村日加留:
これまでも、吉村知事、また先代の松井知事とともに、IR誘致に関しては、府民の、市民の金銭的な負担はないと説明していましたが、今も依存症対策に関しても、新しい基金を作るということで、一旦分かりまして、次の質問に移ります。