府民文化常任委員会 質疑(3)

令和4年10月14日

リバティおおさかの人権関連資料の移転について

西村日加留:
次に、リバティ収蔵資料の有効活用についてお伺いします。
本会議の一般質問において、大阪人権博物館--リバティおおさかが収蔵している人権関連資料、約三万点について、今後、管理方法や活用策が定まらない状況になる中、今般、大阪人権博物館から大阪公立大学に対して、所蔵資料を寄贈するので、有効に保存、活用してほしい旨の提案があり、この提案を受けた大学側は、学術資料受入検討委員会を立ち上げて検討が進められていると、先般の本会議での府民文化部長の答弁を聞いて、私も知った次第であります。

この際、府民文化部長の答弁で、大阪人権博物館の収蔵資料について、人権の意義や価値についての理解を深める上で重要なものであり、次世代にしっかりと引き継ぐべき府民共有の財産であるという言葉がありました。
まず、この収蔵資料に関して、具体的にどの資料が府民共有の財産であるのか、またこれまでどのように活用してきたのかをお伺いいたします。

山田正弥 人権局副理事:
大阪人権博物館において所蔵しております約三万点に及びます資料に関しましては、被差別部落をはじめとして、在日コリアンやアイヌ民族、水俣病患者、ハンセン病回復者の方など、幅広い人権課題について、寄附されたものも含まれますけれども、三十年以上にわたって蓄積してきたものでございまして、歴史的、学術的にも貴重な資料であるというふうに考えております。
収蔵資料に関しましては、これまで児童や生徒の人権学習、あるいは大阪府をはじめとしまして府内市町村の職員研修など、様々な機会を捉えて、教育啓発に活用してきたところでございます。

西村日加留:
人権博物館の収蔵の資料に関しては、大阪市と和解以降、大阪市の施設において管理されているということ、理解しました。
現在どのような活用状況にあるのか、また人権博物館がどのような状況の下、今回、大阪公立大学に資料を寄贈するという判断に至ったのか、その件についてお伺いいたします。

山田正弥 人権局副理事:
大阪人権博物館では、大阪市との和解以降、収蔵資料のごく一部ですけれども、活用してまして、企画展--巡回展を実施しているところでございますけれども、大半の資料に関しましては、大阪市の施設であります弘済院において保管されている状況にございます。
こうした現状を踏まえまして、大阪人権博物館では、収蔵資料を独自に活用するよりも、資料を寄贈すると、こういう形を取ることによりましてより有効活用される方策を模索され、その中で、人権に関する歴史資料として適切に保存管理し、次世代に引き継いでいくことが可能であると。研究、教育、啓発それぞれの観点から、収蔵資料を展示、活用することができるなどといった観点から、寄贈先として大阪公立大学が最もふさわしい、こういう結論に至って、今回の提案に至ったものだというふうにお伺いしております。

西村日加留:
人権博物館が大阪公立大学に対して提案に至った経緯は分かりました。私としても、資料が貴重なものだという理解はしておりますが、提案したのは博物館側で、あくまでも大学は受ける側、そういう立場にあるので、慎重に検討を進めていく必要があると私は考えております。
大阪府として、今回の提案に関して、どのように考えているのか、認識をお伺いします。

山田正弥 人権局副理事:
今回の大阪人権博物館からの提案を踏まえまして、大阪公立大学によるこれからの判断に基づいて資料の有効活用を図られた場合、大学における研究・教育機能、この向上が図られるということはもちろんでございますけれども、それと併せまして、人権問題に関する大学の社会的な存在価値、あるいは貢献度といったものが高まるものと考えております。
今後、大学側が資料の受入れを検討されるに当たりましては、様々な課題でありますとか条件、こういったものを整理・調整していく必要がありますけれども、知の拠点であります大学にとっても有意義な形で資料の有効活用が図られるよう、大阪府といたしましては、関係部局と連携し、支援方策を検討することとしているところでございます。

西村日加留:
人権博物館の収蔵資料に関しては、私もこの相関図を見さしてもらいまして、一定、中身を見さしてもらった上で、貴重な資料だと理解しております。しかしながら、この経緯というのは、知事、また大阪市長であった橋下徹さんが、展示内容や施設の体制について問題提起され、英断という形で進められたというのは私も認識しておりまして、府民の方もそのような認識はしているかと思います。しかしながら、和解されたというのはあまり知られてない状況というのが一点と、資料がどうこう言うつもりはないんですが、一定とんがった一辺倒の資料であるというような私の認識、私の考えであります。

一つ例を挙げますと、アイヌ民族という部分がありまして、一定載っているような説もあれば、逆説じゃないんですけれども、「捏造と反日の館”ウポポイ”を斬る」という本なんですけども、逆説の本というのを私も見ておりまして、なかなかこの問題もバランスが取れたほうがいいと思いますので、貴重な資料というのは大概分かります。いろいろ問題があって、大学側にお渡しするという計画が進んでいるんですけれども、一度この三万点を、DNA鑑定とかも、今現在進んでおりますので、一度そういう部分に関しても研究機関にかけてみてはと私は思います。

もちろん、提案された大学が受けるという立場でありまして、よく企業でも、M&Aとか、買収の場合のときにデューデリ--日本語で買収の調査というんですけれども、この資料の中で、維持管理がどのくらいのものなのかというとこが大切だと思っております。管理するというのは予算がかかりますので、(大学の研究費、予算は)今全国的な次元のほうでもお金がないという声も聞いておりますし、予算の付け替えになれば大学側にとってはマイナスでしかないと思いますので、その点も重々承知の上、進めていただければと思いますので、丁寧な進め方、よろしくお願いいたします。

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