令和4年3月14日
府内の小水力発電の普及について
西村日加留
小水力発電の普及についてです。
府では、おおさかスマートエネルギープランにおいて、最もポテンシャルの高いとも言われている太陽光発電を中心に、再生可能エネルギー等の創出を二〇三〇年度に二百五十万キロワット以上とするという目標を掲げ取り組んでいます。太陽光発電の普及は一定進んでいると感じていますが、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、あらゆる可能性を求めて、太陽光以外の再エネ導入についても積極的に進めていくべきと考えております。
先月、令和四年度以降のFITの調達価格が公表されましたが、太陽光発電の調達価格が下がっていく一方で、小水力発電については、令和六年度まで現状の一キロワットアワー当たり三十四円が維持されるとのことでした。このような国の制度等を活用し、ぜひ小水力発電にも力をいただいたらと考えております。
小水力発電は、一般的に河川や農業用水路での導入が多く見られ、府域での導入事例はほとんど少ないと感じております。そこで、府域の河川、農業用水路における小水力発電の普及の現状についてお伺いします。
水田克史 エネルギー政策課長
二〇五〇年二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、府では、太陽光のほか、小水力、バイオマス、廃棄物等を活用した再生可能エネルギーの普及に積極的に取り組んでいるところでございます。
小水力発電につきましては、国の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査において、大阪では、河川や水路の勾配が緩やかで、水量の確保が難しく、導入のポテンシャルは低いとされております。また、実際に行う場合は、水利権の調整やごみの除去などの維持管理上の課題もございます。これらのことから、大阪の河川、水路での小水力発電の導入は進んでおりません。
このような中、唯一、安威川ダムの建設に合わせて、ダムで使用する電気の一部を賄うため、約百七十キロワットの小水力発電設備の工事が現在進められているところでございます。
西村日加留
大阪での河川や農業用水路では、導入ポテンシャルが低く、課題が多々あることが分かりました。しかし、小水力発電の可能性は、河川、農業用水路以外でもあると思います。
私の地元堺市では、上水道施設の桃山台配水場において、大阪広域水道企業団から水道水を受ける際の水圧を利用することで、発電規模九十四キロワットの小水力発電を導入し、自家消費や売電を行っています。また、設置から十五年がたった今でも順調に稼働し、二酸化炭素の削減効果を上げるなど、高い経済効果も得ていると聞いております。大阪においても都市部ならではの小水力発電を積極的に導入していくべきと考えます。
上水道施設における小水力発電の普及に向け、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
水田克史 エネルギー政策課長
大都市大阪においては、上水道施設にも着目し、小水力発電を導入していくことは重要でございます。このため、大阪広域水道企業団や市町村水道部局等を対象とした研修や現地見学会を実施し、上水道施設における普及を進めているところでございます。
令和四年三月現在、十団体十六施設、合計約千六百キロワットの小水力発電が導入されております。なお、府の推計では、残りの上水道施設における導入ポテンシャルは約四千二百キロワットと見積もっております。
今後も、先進技術の開発状況や他の自治体の先進事例の情報収集などを行い、市町村や民間事業者と連携して横展開するなど、上水道施設における小水力発電のさらなる普及を進めてまいります。
西村日加留
引き続き、市町村と連携し、上水道施設における小水力発電の普及拡大に努めていただきますようお願いいたします。
また、堺市の例を出しますが、私の地元堺市の北部の海浜エリアでは、現在、浸水被害を解消するための新たな古川下水ポンプ場が建設中です。下水道施設での小水力発電の導入は、発電に必要となる十分な落差がないことから難しいと聞いておりますが、今後の技術革新等により導入の可能性が上がっていくかもしれません。聞くところによると、あべのハルカスでもビルの高さを生かした落差発電が導入されているとも聞いております。今後は、低層ビル等でも落差発電が可能となるかもしれません。
ぜひ、上水道施設以外での都市インフラ施設等への小水力発電の導入について、技術革新の動向等の情報収集もしながら研究を深めていただきますよう併せてお願いし、要望としておきます。よろしくお願いします。