令和3年12月2日
表現の不自由展かんさいに関わる府施設の使用について
西村日加留:
表現の不自由展かんさいに関わる大阪府立労働センターの使用許可について御質問いたします。
本年七月十六日から三日間にかけて、表現の不自由展かんさいが、大阪府立労働センター、通称エル・おおさかで開催されました。この展示会は、あいちトリエンナーレ二〇一九で抗議が殺到し、一時中断された企画展の作品等を展示することから、私は非常に問題意識を持っておりました。
展示会の開催が明るみになった後、エル・おおさかに抗議が相次いだことから、指定管理者は、安全確保が厳しいとして施設の利用許可を取り消しましたが、最終的に裁判所による司法の判断により利用が認められ、開催することとなりました。
私は、利用申請があった最初の段階で、指定管理者が内容を確認し、あいちトリエンナーレ二〇一九の混乱状況等を踏まえて、承認すべきでなかったと考えております。
指定管理者の承認手続と府の対応について、商工労働部長にお伺いします。
小林宏行 商工労働部長:
公の施設である府立労働センターの利用承認は、管理運営主体である一般財団法人大阪労働協会を代表者とする指定管理者のエル・プロジェクトが、同センター条例などに基づき判断し行っています。
今回の利用手続は、当初、外形的な要件が満たされていたため、指定管理者が利用を承認いたしましたが、主催者側に具体的な内容を聴取した結果、指定管理者として、催事期間中の施設の安全確保が困難と判断し、府に対し、承認を取り消す旨の報告がなされたものです。
府は、内容を確認の上、異議がない旨の回答を行い、その後、指定管理者において利用承認の取消しが行われました。
本件以降、指定管理者においては、申請者の申込時に企画書などを提出いただき、施設の安全確保の観点から必要に応じヒアリングを行うなど、適切な施設運営の確保に取り組んでいます。
府としても、地方自治法に基づき、指定管理者に対して適宜報告を求めるなど、公の施設の管理の適正に努めてまいります。
西村日加留:
この案件以降、指定管理者において、申請者が申込時に企画書等を提出いただき、施設の安全の確保の観点から必要に応じてヒアリング等を行うなど、適切な施設運営に取り組まれているとの御答弁をいただきましたが、今後、申請者は、申込時に企画書等により、例えば今回の表現の不自由展かんさいを例に取ってみれば、展示物の一部には不快の念を起こさせ、またはそのおそれがあるものも含まれていたのではないかと考えます。
このような展示物が事前に確認できた場合、展示内容を見直すなどの対応がない限り、大阪府立労働センター条例第四条二号に規定する不快の念を起こさせ、またはそのおそれがあるものに該当する場合、指定管理者が申請段階で利用を承認しない場合があると理解してよろしいのでしょうか、商工労働部長にお伺いします。
小林宏行 商工労働部長:
公の施設につきましては、地方自治法第二百四十四条二項により、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないとされていることがあります。
これを前提にしまして、センターの利用に当たっては、管理運営主体である指定管理者が、センターの設置安全条例に基づき、承認の基準に該当するかどうかを厳正に見極めて判断することになろうかと存じます。
西村日加留:
私は、表現の不自由展かんさいが開催に至ったので、朝から整理券の列に並び見てきました。そして、昭和天皇の肖像を燃やすような映像等も拝見してきましたが、やはりこの内容は日本人の心を踏みにじり、殊さら対立をあおるような展示会であり、公共施設をわざわざ貸して開く必要はなかったと、身をもって体験したのが私の感想です。
今回の反省点はたくさんありますが、その中でも、施設の安全確保ができないという理由で裁判に挑んだのが致命的でした。展示内容に対し真っすぐに向き合い、対応すべきだったと強く思います。