本会議 一般質問(2)

令和2年12月2日

北朝鮮による拉致問題解決に向けた大阪府の取組について

西村日加留:
現在、十七名の方を北朝鮮による拉致被害者として日本政府は認定しております。これまでの政府の取組では、平成十四年十月以降、ただの一人も日本へ帰ってきた拉致被害者はいません。
 菅総理は、安倍総理の方針を継続するとおっしゃっていましたが、これでは、帰国者ゼロが続くだけだと思います。国際的な連携は非常に大切だと思いますが、我が国自身が先頭に立ってこの問題を解決しなければなりません。全国の自治体、とりわけ大阪も、この認識で問題に取り組んでいただきますことが重要だと考えます。

拉致問題は、事件発生から長い月日がたち、被害者の家族の高齢化が進んでおります。そのような中、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父で、家族会の前代表、横田滋さんが、本年六月に八十七歳でお亡くなりになりました。また、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、先月の十一月十五日で四十三年が経過いたしました。私も、平成二十四年十一月に新潟へ行き、拉致現場とされる場所、めぐみさんが下校した時刻に現地調査を行いました。

ブルーリボン活動等の北朝鮮人権侵害問題啓発推進について

大阪府においては、十二月十日から十六日の北朝鮮人権侵害問題啓発週間において、街頭キャンペーン、パネル展示や、府内各所のブルーリボンライトアップや、他会派の先生方の呼びかけにより、アニメ「めぐみ」や映画「めぐみ」を府内各学校で放映するなどを通じて啓発活動を実施しているところですが、さらなる機運醸成として、拉致被害者とその家族を支援する義援金の募集や、日本人の救出を願うブルーリボン活動についても、もっと多くの方に知っていただける取組が大切です。

SNSを通じた呼びかけ、市町村とも連携した呼びかけ、民間団体との連携、府営施設、各学校、各警察署、大阪メトロや大阪シティバスの車内広告など、ありとあらゆる媒体を使って府民の方に北朝鮮人権侵害問題について関心を持ってもらい、大阪府として拉致問題解決に向けて最大限後押しされるような取組をさらに推進していくべきと考えます。府民文化部長の御所見をお伺いします。

岡本圭司 府民文化部長:
北朝鮮当局による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な人権侵害であり、また日本政府が認定した最初の拉致被害発生から既に四十年以上が経過している中にあって、一刻の猶予もなく、決して風化させてはならない切実な問題であると認識しています。

大阪府では、平成十八年に施行された拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律に基づいて、十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間における取組を中心に、拉致被害者の御家族を招いての集いなど、様々な啓発活動を実施してきました。
今年度の啓発週間では、新型コロナウイルス感染症を考慮して、例年のような街頭啓発は行いませんが、府政だよりでの呼びかけ、府立中央図書館でのパネル展示、府内十二か所でのブルーリボンライトアップを実施することとしています。また、来年一月には、アニメ「めぐみ」の上映会を、政府拉致問題対策本部や府内市町村との共催により開催する予定です。

今後とも、府民の皆様に関心と認識を深めていただくよう、国や市町村と連携しながら、拉致問題の一日も早い解決に向けた啓発にしっかりと取り組んでまいります。

拉致問題の正しい認識を推進する取組について

西村日加留:
来年には、映画「めぐみへの誓い」も大阪上映が決まりました。ぜひとも、多くの府民の皆様にも見ていただきたい作品です。
最後に、吉村知事にお伺いします。北朝鮮による拉致について考え、この問題に取り組むことは非常に重要なことと考えます。北朝鮮の拉致問題について、府民の方が正しく理解し認識する取組、拉致問題解決に向けて最大限後押しされるような取組を推進していくべきだと考えますが、吉村知事のお考えをお伺いします。

吉村洋文 知事:
西村議員の御質問にお答えを申し上げます。
拉致問題につきましては、我が国の主権を侵害する行為でもありますし、国民の生命を侵害する行為、安全に関わる重大な人権侵害行為であるというふうに思っています。そして、これは現在進行形の問題でもあります。決して許されない行為だというふうに思っています。
この拉致被害の発生から既に四十年以上が経過してますけれども、これは絶対に風化させてはならないし、現在進行形であるということを府民の皆さんに広くお伝えをしていきたいと思います。

当然、大阪府ですので、自治体ですから、外交力のない、外交権を持たない中で何ができるかということを考えたときに、やはりこれは啓発を常にし続けることだと思います。拉致被害者の御家族の方と僕自身も直接お話をしたことがあります。大阪市長時代には、全ての小学校、中学校にビラを、子どもたちにも伝えるということでやりました。当時は、何でこんなもん、小学生、中学生にこんなビラなんか配るのという批判も受けましたけども、これはやらなきゃいけないという思いで実施をいたしました。

この拉致問題の解決に向けて、これは国が全力を挙げて取り組むということでありますが、自治体としてもこれをできる限り我が問題として取り組んでまいりたいと思いますし、自治体としてやはり周知活動、啓発活動というのを徹底してやっていきたいと思います。この問題については、僕自身も絶対に許されない行為だというふうに思っています。

西村日加留:
吉村知事、ありがとうございます。
北朝鮮による拉致の可能性を排除できない全国の行方不明者の数は八百七十五名、そのうち大阪府の方は四十九名もいらっしゃると聞いております。政府認定の十七名だけが拉致被害者ではありません。このような方々も北朝鮮による拉致問題の関与が疑われる方々であり、被害者とも言える方々です。

拉致は、日本海側の寂しい海岸を歩いていたら、上陸してきた北朝鮮工作員が暴力的に船に乗せ、北朝鮮に連れていくのが一般的なイメージだと思います。
しかし、現実は、日本海側だけではなく太平洋側でも、海岸が内陸かは関係なく、日本国内で活動する工作員、またその補助をする人物が対象者をその気にさせるか、もしくはだまして海岸に連れ出し、北朝鮮に連れていかれるケースがほとんどを占めると思われます。このような存在について、多くの府民の方にはあまり知られていません。
ぜひとも、府民の方に機会を通じて御認識いただくような取組についても御要望させていただきます。

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