教育常任委員会 質疑(3)

令和2年12月10日

情報リテラシー、消費者教育について

小中学生のインターネットの安全な利用について

西村日加留:
情報リテラシーについてお伺いします。
携帯電話やスマートフォンの普及により、子どもの携帯電話等の所持率も年々上昇し、中高生はもちろんのこと、小学生も当たり前のように所持するようになっていて、ネット社会が子どもの中にも確実に浸透していると考えます。

去年の三月には、大阪府教育庁が、小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドラインを作成し、携帯電話の校内持込禁止の方針を見直したが、子どもたちにとってインターネット等に触れる機会が増すことで危険な目に遭うことも増加するということを危惧しております。情報化社会が進んでいく中で、個人情報の漏えい等、インターネットの危険性について子どもたちに発信していく必要があると感じておりますが、大阪府教育庁としての取組をお伺いします。

桝田千佳 小中学校課長:
委員お示しのガイドラインは、二〇一八年六月、登校時間中に起こりました大阪北部地震での状況を受けまして、登下校中の児童生徒の安全安心のために携帯電話等を活用できるようにする目的で策定したものでございます。携帯電話やスマートフォンを活用するに当たりまして、情報端末の利便性と利用に伴う危険性の両面を、しっかり児童生徒、保護者、学校が共通理解していくことが必要でございます。そこで、このガイドラインでは、学校での具体的な指導例や、保護者が家庭で子どもと決めるべきルール等についても示しております。

また、インターネット等に係るトラブルにつきましては、ともすると大人が知らないことが子どもの中で行われている場合がございます。そこで、児童生徒が自らネットいじめ等の危険を回避し、対処できる力を身につけられるよう、大阪府教育庁が携帯・ネット上のいじめ等への対処方法プログラムを作成するとともに、毎年内容を更新しまして、最新の情報を学校に提供しております。

さらに、ネットに関わるトラブルが生起した場合には、被害の拡大を防ぐために、大阪府警察本部や近畿総合通信局、携帯キャリア等の協力の下、大阪の子どもを守るサイバーネットワークを構築いたしまして、対応しているところでございます。

高校生のインターネットの安全な利用について

西村日加留:
小中学校においてのインターネットに関わる取組について、ガイドラインを作成したり、啓発資料を作成したりして取り組んでいることについては理解しました。
さて、高校生になると、スマホ等を使用する頻度がさらに高まることでトラブルに巻き込まれる危険性も高まると思います。
そこで、府立高校においては、生徒の適切なネット利用についてどのような指導を行っているのか、お伺いします。

大久保宣明 高等学校課長:
今後ますます発展する情報社会を生きる生徒には、インターネットを有効かつ安全に活用できる力が求められております。そのため、各府立高校におきましては、全生徒が履修する「情報」の授業において、例えば必要な情報を迅速に検索する手法などはもとより、得られた情報の分析や評価、こういった学習を通じまして、情報リテラシーの育成にも取り組んでいるところです。

加えまして、委員御指摘のとおり、トラブルに巻き込まれる事例が発生しているといったことを踏まえ、多くの学校においては、外部の専門家を招いて、実際に生起したネット詐欺などの事例やその対処方法についての学習にも取り組んでおります。
府教育庁といたしましても、トラブルへの対処方法に関する資料を作成いたしますとともに、随時最新の情報に更新するなど、引き続き学校の取組を支援してまいります。

西村日加留:
インターネットの危険性について、小中高校でそれぞれ取り組まれていることについては分かりました。ただ、危惧する部分はまだまだあります。
そもそも子どもに携帯電話やスマートフォンを持たせているのは保護者であり、その保護者自身が危険性を認知していないというのが現状ではないかと私は思います。例えば、保護者が子どもの写真を簡単にSNSにアップしている例や、保護者の例えばSNS--フェイスブック、インスタグラム等の待ち受けが家族の集合写真であったりという例もあるのではないでしょうか。正直申し上げて、議員というのも確かに多いと思います。若干タレントみたいな部分もありますが、今後は危機管理を高めるべきだと思います。

さらに、保護者自身が子どもがどのようなアプリを使っているのか把握していない例も多いと思います。どのようなアプリを使っているか分かっているが、そのアプリの危険性についても理解していないケースもあると思います。まずは保護者がアプリを試すというのもいい取組だと思います。

そして、中高生の多くが利用する人気アプリのティックトックについて、いい機会なので私自身が注意喚起をさせていただきます。はっきり申し上げて、ティックトックについて安全性をうたっているのは、中国共産党以外はいません。ほかの国ではこの危険性をうたっております。これが世界の常識であります。日本政府も一定指摘している部分がありますので、大阪府も、学生はもちろん府民に、ユーザーデータ、個人情報が中国政府に渡っているかもしれないという危険性を伝えるべきだと私は考えております。

さて、今後も、児童生徒に対して、インターネットの危険性や適切な使い方を啓発するとともに、保護者への啓発を強化し、学校と保護者が協力して、インターネットに関わるトラブルを回避し、対応するような支援に努めていただきますよう、よろしくお願いします。
あわせて、大阪府のホームページを検索すると、インターネットの危険性についてのコンテンツが一つにまとまってないように感じます。府民への啓発を促進するためにも、検索しやすいホームページづくりに取り組んでいただきますよう、要望させていただきます。

小中学校における消費者教育について

西村日加留:
次に、消費者教育についてお伺いします。
ICTの急速な普及により、社会様式が大きく変わり、物や金銭の取扱いについてもその方法や価値観が大きく変化している。特にインターネット上での売買に関しては子どもたちでも簡単にできる状況にあり、例えばスマートフォンのアプリにおける課金や高額な転売など、トラブルに巻き込まれるのではないかと心配しています。
このような状況の中、小中学校において、売買や契約等、金銭の取扱いに関する指導はどのように行われているのか、その現状をお伺いします。

桝田千佳 小中学校課長:
キャッシュレス化など社会や経済状況が変化する中で、子どもたちがお金の使い方などについて適切な消費行動を取ることができるいわゆる自立した消費者を育てるための消費者教育の必要性が高まっていると認識しております。

指導の現状でございますが、小学校では、五・六年生の家庭科の学習におきまして、物や金銭の大切さと計画的な使い方をはじめ、家族が働くこと等によって得られた金銭を有効に使うことの重要性、そして今日的な課題といたしまして、プリペイドカードや電子マネーは金銭と同じ価値があり、その取扱いに注意する必要があることなど、またインターネットでの取引やそこで生じるトラブルについても学習しております。

中学校では、三年生の社会科におきまして、消費者の権利と義務を、消費者基本法やクーリングオフといった消費者を守るための制度を通して学んだり、クレジットカードや電子マネー等のキャッシュレス決済による多重債務や自己破産に陥ってしまう問題、インターネット上での売買トラブルとその際の対処方法などについて学習しているところでございます。

西村日加留:
私自身が育った中では、あまり金についての教育がなかったように記憶しております。今のお話では、現在は一定消費者教育が行われていることについて理解しました。

しかし、私が子どもの頃とは今では時代も変わり、例えば転売について考えても、不要になったものを必要な人に適切な値段で転売することでリサイクルに寄与する転売もあれば、人気商品を買い占めて価格を高騰させる転売もある。したがって、消費者教育において学習したことを土台に、金銭や消費者に係る判断力やモラルを様々な機会で育成することが子どもたちには必要であると考えます。

半年前、マスクが世の中からなくなった騒動もありました。自分のことだけを考えてモラルに欠けた大人が多い現状です。授業はもちろんのことですが、様々な教育活動を通して、子どもたちが消費をめぐるトラブルの被害者にも、また加害者にもならない取組と、社会がどのように変化しようとも、金銭を大切にし、計画的に正しく管理する態度や心情を育成する取組を、教育時間を十分に確保していただきまして進めていただきますよう、切にお願いいたします。

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