令和2年12月10日
郷土や地域に関する教育について
西村日加留:
郷土や地域に関する教育についてお伺いします。
このコロナ禍の中、地元の行事とかなくなりまして、例えば祭り、祭りは秋祭りなんですけども、なくなりました。そのなくなったときに、私自身も時間が空きましたので、本来祭りとはと考える機会がよくありまして、秋祭りなので五穀豊穣であったり、そこから地域のアイデンティティーというか地域の在り方、またこの建物は何のためにあるのかということをいろいろ考える機会ができました。
そこで、私はそのことも感じまして、今、グローバル化が進められている現在の社会の中、自分の国や郷土に誇りを持って生きることは非常に重要であり、教育基本法においても、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛する態度を養うことが教育の目標として記載されている子どもたちが自らの郷土について理解し、誇りや愛情を育てることは非常に重要であり、私たちが暮らす大阪についても、その土地、歴史、文化や自然、環境、産業などについて様々な角度から学ぶことを通して、郷土に対する誇りや愛情を持つことができる教育を義務教育段階からしっかりと行うことが必要であると考えます。
そこで、子どもたちが大阪府についてより深く理解し、郷土に対する誇りや愛情を育むための府内の小中学校での取組の現状についてお伺いします。
桝田千佳 小中学校課長:
郷土や地域に関する教育につきましては、まず小学校三年生で、身近な地域や自分たちの市町村について、小学校四年生では、大阪府について、その地理的な特徴や行政の仕組み、伝統、文化、地域の発展に尽くした人の働きなどについて学習しているところでございます。
学習に当たりましては、全ての市町村が、例えば「わたしたちの茨木」などの二百ページ程度の教科書と同じ体裁を取りました冊子を作成して、補助教材としております。
具体的には、堺の刃物について学ぶ際には、その歴史や、作成の過程について見学に行き、実際に職人さんの話を聞くなどして、伝統を引き継ぐ方々の思いに触れる中で、伝統工芸のすばらしさや伝統をつなぐことの大切さについて子どもたちが考え、理解し、大阪に対する誇りや愛情が育つよう指導しているところでございます。
西村日加留:
郷土や地域についての学習が各市町村で行われていることについては理解しました。
大阪府には、大阪産(もん)をはじめとする各名産品や、高い技術力を持つ中小企業、歴史ある文化財、観光スポットなど魅力がたくさんあります。それらについては、知事部局でも様々なPR事業に取り組んでいるとこだと思います。
また、私が先日の一般質問において自然災害伝承碑について取り上げたように、防災に関する情報が学べるものも存在しています。この質疑において、危機管理監からは、教育庁と連携し、防災教育に活用できるよう検討していく旨を答弁いただきました。防災教育における危機管理室との連携のみならず、その他の知事部局との連携は、子どもたちが暮らすまち大阪を学ぶ上で非常に効果的なものと考えます。
府内の小中学校での郷土や地域に関する教育の取組における知事部局との連携についてお伺いします。
桝田千佳 小中学校課長:
児童生徒が大阪の学習を深めていくために知事部局等と連携することは、より効果的であると考えており、取り組んでいるところでございます。
先ほど紹介いたしました補助教材の中では、例えば「大和川のつけかえ」という単元がございます。その内容は、江戸時代、度重なる洪水に悩まされていた流域の人々が、様々な苦労を乗り越えて付け替え工事をやり遂げ、人々の命を救ったことを学ぶとともに、子どもたちが洪水などの水害の危険性を知り、災害発生時の適切な対応も学習いたします。その際に、府の土木事務所が実施しております学校への出前授業を活用いたしまして、実際に治水に携わる方々からお話を聞いております。
ほかにも、大阪産(もん)につきましては、学校給食で泉州水なすやタマネギなど、それぞれの地域の特産物を使ったメニューを提供したり、大阪府教育庁が作成した学習教材において知事部局が作成したホームページを引用しまして、高山真菜や吹田慈姑などを題材にして、子どもたちが大阪伝統野菜について知る機会としております。
今度とも、知事部局との連携を進め、子どもたちの学習を深めてまいります。
西村日加留:
ありがとうございます。
今の日本では、愛国心や祖国愛を口にすれば、あいつは右翼だとやゆされます。祖国の国旗・国歌が疎んじられる非常識が常識になっていると私は現在思っております。家族や学校での食事の際に、一つ大阪産(もん)のナスが並び、身近な場所でつくられた話題から様々な関心へとつながり、生産者さんへの感謝につながればいいなと思います。単純なことでもいいと思っています。
例えば、大阪の名前の由来を通じて、よく政治家が言う経済の大阪、また文化の大阪、そういうところから大阪の文字を知るという勉強からも、こういうことが議員の先生が選挙の際に言ってきたんだなということにもつながればいいなと思っております。私は、この郷土教育が今本当に足らない部分だと思って、機会を見つけて引き続き取り組んでいきたいと思っております。よろしくお願いいたします。