令和元年12月13日
少年を特殊詐欺に加担させない取り組みについて
特殊詐欺の現況について
西村日加留:
自由民主党・無所属 大阪府議会議員団、堺市堺区選出の西村日加留です。
通告に従い順次質問させていただきます。
初めに、少年を特殊詐欺に加担させない取り組みについてお伺いします。
最近、SNSを通じて、アルバイト感覚でオレオレ詐欺など特殊詐欺に加担し、逮捕される少年がふえていると新聞などで報じられております。私としても、この問題については非常に危惧しているとこです。
そこで、本年、大阪府警察で検挙した特殊詐欺の犯人の人数とこれに占める少年の人数、割合、役割について、警察本部長にお伺いします。
石田高久 警察本部長:
本年10月末現在における特殊詐欺の検挙人数につきましては、暫定値ではありますが240人で、昨年同時期より88人増加しております。このうち、少年の検挙人数は92人で、全体の約四割を占めており、既に昨年一年間の少年の検挙人数を30人上回っております。
特殊詐欺で検挙された少年の役割については、被害者の家を訪問して現金やキャッシュカードなどを受け取る、いわゆる受け子が約7割を占めております。このようなことから、犯行グループは、現場で検挙されるリスクの高い受け子に、アルバイト感覚で安易に応募してくる少年を利用しているものと考えております。
少年が受け子等に利用されないための取組
西村日加留:
少年が、特殊詐欺に加担し、銀行口座に振り込みを求めたり現金を引き出したりキャッシュカードを受け取ったりする受け子に安易に加担してしまうと、詐欺罪等の罪に問われることになりますし、悪いことをしているとは知らずにやってしまったなどとどれだけ言いわけをしても、受け子として犯罪に加担した後では取り返しがつきません。
そこで、少年が、受け子等に利用されないため、大阪府警察ではどのような取り組みを行っているのか、警察本部長にお伺いします。
石田高久 警察本部長:
犯行グループは、SNS、特にツイッターを利用して「闇バイト」などの検索用ワードを付して投稿し、これに応答した少年に対し、高収入、捕まらない等と巧みに勧誘し、受け子等に加担させている事例が散見されます。
そこで、大阪府警察では、ツイッター対策として、まず受け子を勧誘しようとする書き込みや、この書き込みを閲覧しようとする検索に対し、受け子で逮捕される少年がふえており、組織からは使い捨てにされる旨の警告文を表示させる取り組みを行っております。さらに、高校などで非行防止教室を開催したり、少年鑑別所などの矯正施設にポスター、チラシを配布するなどして、受け子は犯罪であること、一度犯行に加担すれば、脅されるなどしてグループを抜け出せなくなることなどについて指導啓発を行っております。
また、本年6月に施行された改正大阪府安全なまちづくり条例で、青少年の育成に携わる者に対する努力義務が規定されたことを踏まえ、大阪府教育庁等を通じて大阪府下の学校に対し、生徒が特殊詐欺に加担しないための指導助言を依頼しております。
大阪府警察といたしましては、今後とも関係機関等と連携しながら、少年が特殊詐欺に加担しないよう各種取り組みを推進してまいります。
西村日加留:
本年10月末現在、昨年一年間の少年の検挙人数を既に30人も上回っているとの御答弁をいただきました。増加傾向にある特殊詐欺犯罪の検挙数をふやす取り組みと同様に、未来ある少年を特殊詐欺に加担させない取り組みも非常に重要であると考えますので、より一層の強化をお願いいたします。