令和3年11月17日
特定外来生物ヒアリ対策について
西村日加留:
早速ですが、特定外来生物について、その中でもヒアリ対策についてお伺いします。
ヒアリは、南米原産のアリで、生態系、人の生命、身体、農林水産業への被害を及ぼすものとして、国の外来生物法により特定外来生物に指定されています。原産地の南米以外において定着しているところでは、人やペットの健康被害のほか、電気設備や生態系への被害が確認されており、定着させないことが非常に重要であります。対策は、持ち込まない、潜り込ませないこと。このことを進めるに当たって、ヒアリの確認状況をしっかりと把握する作業が必要です。
平成二十九年六月、兵庫県尼崎市において国内で初めて確認された以降、港湾区域内を中心に確認されている中、最近増加傾向にあるとも聞いております。大阪府におけるヒアリの確認状況はどうなっているのか、お伺いします。
田中俊行 みどり企画課長:
ヒアリにつきましては、国、府、市町村等で設置した大阪府特定外来生物連絡協議会で、最新情報の共有など、連携した防除対策を図っているところでございます。
府内におきましては、平成二十九年に大阪港で初めて確認されて以降、平成三十年度に四事例、令和元年度、二年度に各一事例、令和三年度については現時点で四事例、延べ四千個体を超えておりますが、国が中心となって、速やかに全ての個体の防除が行われるなど、徹底した対策が実施されております。
西村日加留:
大阪府内における状況については分かりました。
さて、ヒアリが定着した国々では、かなりの費用をかけて駆除を行っているようです。また、ニュージーランドを除いて根絶に至っていないと聞いております。ニュージーランドでは、定着初期に徹底した防除対策を実施した結果、唯一根絶に成功しているようです。また、根絶後も、再び侵入定着しないよう警戒を続けているとも聞いております。
ヒアリの定着を防ぐためには、海外からの物流の窓口となる港湾部分での対策が非常に重要であり、行政のみならず、港湾事業者の協力も得つつ、関係者が連携し、しっかりと取組をする必要があると考えます。国においては、港湾事業者に対し、コンテナの調査のほか、ヒアリ発見時の対応について協力依頼を行っているとともに、大阪港、堺泉北港を含む全国六十五港湾において年二回の確認調査を行っているようですが、大阪府において現在どのような取組を行っているのか、お伺いします。
田中俊行 みどり企画課長:
大阪府におきましては、国が行う防除や調査への協力をはじめ、ヒアリの特徴や、疑わしきアリを見つけた場合の対処方法等を、府政だよりやホームページ、SNS等を活用し、広く府民に周知しております。また、市民等から通報や相談を受けた際の対応マニュアルを作成し、市町村の担当者を対象に説明会を開催するなど、ヒアリの早期発見に向け、適切な対応が図られるよう働きかけております。
西村日加留:
ヒアリの水際対策について、関係機関と緊密に連携し、しっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。第一に水際対策、第二に水際対策、第三に水際対策と思います。コロナウイルスもそうですが、日本は島国であり、どこからか入ってくることしかありません。ウイルスが命ある生物かという判断については分かりませんが、生き残ろうとしてか、感染し続けていますから、微生物ではないでしょうか。アジアの中でも水際対策に成功している国はあります。台湾もそうですが、先ほど紹介したニュージーランドでも、最近では若干感染拡大しておるようですが、当初から全世界で最も少ない感染率を自負している国です。だからこそ水際対策をどうぞよろしくお願いいたします。
外来生物が生態系に与える影響と生物多様性
また、ヒアリのような健康被害などの危険性を伴う生物については、注意喚起などのメッセージを府民へ発信していく取組も大切で、府民への意識醸成にもつながると思います。
しかし、もう一つの現状は、アメリカザリガニなど外来の生き物が、近年、私たちの身近な水辺などの生態系に対し、非常に大きな影響を与え、多く点在していることが明らかです。
アメリカザリガニ以外にも、クビアカツヤカミキリやセアカゴケグモ、アライグマなど、身近な場所で定着した外来生物も増えており、既に桜の枯損や農産物の被害など様々な影響が出ています。このような被害をこれ以上拡大させないためにも、外来生物が大阪の多様な生態系に与える様々な影響を府民にしっかりと理解していただくことが重要であると考えますが、御所見をお伺いします。
田中俊行 みどり企画課長:
生態系の保護や生物多様性の保全に向けましては、府域に存在する外来生物の種類やそれらが与える様々な影響について、広く府民に知っていただき、行動いただくことが重要であることから、様々な取組を進めているところでございます。
具体的には、府内の動物園や博物館など五十三施設と連携し、生体や剥製の展示のほか、企画展や府民向けの講座の開催を通じて、外来生物の府民理解の促進を図っております。
また、生物多様性センターと連携し、府域に定着している外来生物に絞り、写真をふんだんに使用したリーフレットを作成し、学校現場やイベントなどで配布しております。
さらに、絶滅危惧種であるイタセンパラの保護増殖を進めるため、平成二十四年四月からこれまで百六十七回、一万一千人もの府民に参加いただき、オオクチバスなどの外来生物の駆除活動を実施しております。
今後とも、関係団体等と連携し、情報発信や活動の場の提供など、あらゆる機会を通じ、外来生物に関する興味や関心を持っていただき、早期の発見や駆除などの行動につなげていただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
大阪の生物多様性を守る条例制定を求めます
西村日加留:
先ほどの答弁は本当にそのとおりでありまして、生態系の保護や生物多様性の保全に向けた取組が本当に喫緊の課題だと思います。しかしながら、現状、私の地元の大和川しかり、池を見てみれば、ミドリガメが本当にたくさんいて、もう片方、でかい魚はコイ、そういう状況が当たり前のことのようになっております。本当に当たり前じゃないことが当たり前になっていることがおかしいと思いまして、そろそろ手をつけるべきだと思っております。
大阪府の大きな環境施策の中の一つに生物多様性という部分があります。やはり生物多様性だけでもっともっと力を入れて対策を取る必要があります。
琵琶湖がある滋賀のように、具体的に府民が生物多様性、生態系を守る、固有の生物を守るために何をしたらいいのか、また何をしてはいけないのかという具体的なことを決めて、府民に発信することは本当に大切だと思いますので、先日来の自民の代表質問でも、生物多様性条例をつくってはどうかと私自身は本当に思っておりますので、ぜひその部分も促進していただきますよう、よろしくお願いいたします。