令和3年11月17日
海洋プラスチックごみ対策について
どこから来たゴミ?
西村日加留:
海洋プラスチックごみ対策についてお伺いいたします。
海洋プラスチックごみ問題は世界的な課題であり、大阪府が本年3月に策定したおおさか海ごみゼロプランでは、大阪湾に流入する河川の流域などにおいて、3Rの徹底やごみの飛散防止対策などを推進していくこととされている。
しかし、日本は海に囲まれた島国で、海洋・海流予測から、どこから流れ着いてくるごみなのかは、日本海側であったら隣の大陸や朝鮮半島から漂流するものが多くて、逆に日本が出しているごみはハワイ沖に漂流しているとも聞いております。私が見た新聞記事によると、山口県の海岸でもハングルや中国語が書かれた飲料用の缶やペットボトルなどのごみが多く見られたことがあった。ここで、大阪は国内向けの対策に注力することがいいのか、気になっているところであるので確認したい。
また、過去に私の地元堺で大和川を視察したことがありますが、その際には缶や瓶などのごみが多く見受けられましたことから、大阪湾に漂流、漂着するごみは実際どのような種類が多いのか、その状況について関心を持っているところです。そこで、まず大阪湾に漂流、漂着しているごみのうち、海外由来のごみがどれぐらいあるのか、またプラスチックごみがどれぐらいの割合を占めているのか、お伺いいたします。
奥田孝史 環境保全課長:
海外から来たごみの割合については、環境省が、国内各地に漂着したペットボトルのラベルから、製造された国別の割合を算出しています。平成30年度の調査結果によると、言語が不明なものを除いて、日本海側の松江や太平洋側の八丈島では海外由来が6割以上を占めるのに対し、本府の岬町では3%でした。
また、鹿児島大学の調査によると、瀬戸内海の海洋ごみの約7割が河川を通じて流入していると試算されており、大阪においても大多数が府域及びその周辺から流入していると考えられます。
プラスチックごみの割合については、環境省が平成27年度に瀬戸内海で実施した漂流ごみ調査及び府が令和2年度に実施した漂着ごみ調査のいずれにおいても、約7割から9割を占める人工物のうち、プラスチックが約9割を占めていました。
どのようなゴミ?
西村日加留:
大阪湾の漂流・漂着ごみは、近郊の陸地から多く流入していることや、プラスチックごみが占める割合が多いという状況については理解できました。
ごみが海域へ流出した後で回収するには、多くの手間や費用がかかるため、主な発生源である陸域での発生抑制対策を着実に実施することが大変重要であると考えます。プラスチックは多岐にわたり使用されていることから、具体的な対策を進める上では、どの種類のプラスチック製品から優先的に進めていくべきか、整理すべきことと考えます。
効果的な対策を進めるには、まず大阪湾におけるプラスチックごみの内訳を正確に調査すべきではないでしょうか。大阪湾で実施した調査では、どのような種類のプラスチックごみが多かったのか、お伺いいたします。
奥田孝史 環境保全課長:
環境省の同調査においては、食品包装材が最も多く確認され、プラスチックごみに占める割合は24%で、続いてレジ袋、発泡スチロール、ペットボトルの順で多いという結果でした。
また、府の漂着ごみ調査では、海岸の幅50mの範囲で確認されたプラスチックごみ297個のうち、弁当などの容器が81個と一番多く27%を占め、その他、ペットボトルのキャップや食品包装材、ストローなど、使い捨てのものが多く確認されました。
今後は、種類別に効果的な発生源対策を推進していくため、こうした調査や、河川流域は他府県にまたがっていることから、関西広域連合が実施した淀川流域の主要な河川でのごみ調査などに加え、今年度実施している淀川や大和川の河川敷でのプラスチックごみの調査の結果などを基に、より詳細に実態を把握してまいります。
プラごみ削減の賛同者を増やすには?
西村日加留:
今年度、淀川や大和川の河川敷で調査を実施するとのこと。私は、府県をまたぐ大きな河川から大阪湾に流入するごみを削減していくためには、上流府県からのごみの流入実態、ごみの流入量を把握する必要があると考えます。そのため、ごみの調査については、大阪府単独で行うのではなくて、上流側の京都府や奈良県ともしっかりと連携して実施するよう強く要望いたします。
具体的には、私が考えるには、大和川であったら、本当に大阪と奈良の県境にトラップネットを仕掛けて調査するというのも一つの手だと思います。そして、先ほどの繰り返しになりますが、発生スポットを特定するということが一番大切ですので、どこから発生しているとか、その流れ着いたごみは堺港に流れ着き、大阪府が掃除しているという事態でもありますので、どうぞよろしくお願いします。
先ほどの説明があった海ごみ調査によると、日常生活で使われている使い捨てのものが多く確認されたとのこと。海に流出するプラスチックごみを減らしていくには、我々の生活の中で多様に発生しているプラスチックごみ自体を削減することが重要であると考えます。
平成31年1月、大阪府市共同でSDGs推進都市を目指し、使い捨てプラスチックごみ削減のさらなる促進やプラスチックの資源循環の促進などを盛り込んだおおさかプラスチックごみゼロ宣言を行い、趣旨に賛同する府内市町村や事業者、業界団体等を募集してきたとのことですが、令和3年10月時点で、市町村が31、企業団体が6、NPOが4、学校が1、事業者等が26となっています。賛同いただいている業者です。
府市共同ででかでかと宣言し、進めている企画なので、全ての市町村と共に行うべきであり、多くの賛同者と共に府内全域でプラスチックごみ削減の具体的な行動につながるよう盛り上げていっていただきたいと考えますが、今後、この宣言の賛同者を増やしていくためにどのような取組を行うのか、お伺いいたします。
岡野春樹 環境農林水産部副理事:
海のプラスチックごみをゼロにするためにも、発生元のプラスチックごみ削減は極めて重要であり、府内の全域において積極的に取り組むべき課題でございます。今後とも、市町村や事業者が集まります会議などの場を活用いたしまして、マイボトルの利用促進を図るおおさかマイボトルパートナーズの取組を周知するなどして、宣言自治体等を増やすように働きかけるとともに、あらゆる主体と連携協力したプラスチック対策に取り組んでまいります。
マイボトルパートナーズの普及促進について
西村日加留:
プラスチックごみ削減に向け、官民が連携して取組を促進していくことなので、府内全域で取組を進めるよう、引き続き目標を立てて頑張っていただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、賛同者を広げるためには、私の思いつきではありますが、賛同していただいた企業、団体に、一緒に宣言をするという意味で、のぼりであったりステッカーを配って、それもプラスPRにつなげて賛同者を得るという取組もあると思いますので、今回、ちょっと質問には至らなかったんですが、引き続き、この宣言に賛同いただける業者を広げていくための取組促進を次の機会の質問でもさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
また、府民ができる取組の一つとして、日々の生活中で多用している使い捨てプラスチックの使用を削減することも重要であると考えます。
まず、先ほど答弁にあった調査でも確認ができているペットボトルについて、その使用を削減するには、マイボトルが利用できるお店や給水スポットが増え、これまで意識のなかった人にも利用していただくような環境が整備されることが必要であり、併せて社会全体で機運醸成を図っていくことも重要であると考えます。
昨年度に本格的に稼働したおおさかマイボトルパートナーズでも、事業者やNPO、行政が連携し、マイボトルの利用啓発、マイボトルを利用できるスポットの整備などが進められており、我が会派としても、これまで同僚議員が委員会で質問を行うなど、この取組に注目しています。
マイボトルパートナーズでは、2025年の大阪・関西万博を見据えた目標も掲げているが、開催までに3年半を切り、本取組をさらに加速させていくべきと考えます。おおさかマイボトルパートナーズにおけるマイボトルの普及促進にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
岡野春樹 環境農林水産部副理事:
マイボトルユーザーにやさしい街おおさかを目指しまして、給水スポットの拡大と府民への普及に努めているところでございます。
具体的には、公共施設や、例えば天王寺動物園などの集客施設等への給水スポットの設置に加えまして、マイボトルを利用すると安価に飲料を購入できる店舗の拡充を促進しております。また、一層幅広い年代層にマイボトルの利用を広げるため、国が今年度から実施をいたしますローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業を活用いたしまして、映像作成の専門学校と連携して給水スポットを広くPRする動画等の作成とその配信に取り組んでおります。引き続き、このような取組を推進するとともに、その成果を広く発信してまいります。
レジ袋以外のプラごみ削減の取組について
西村日加留:
引き続き、様々な関係者との連携の下、おおさかマイボトルパートナーズの取組をしっかりと推進し、ペットボトルごみの削減に努めていただきますようお願いいたします。
使い捨てプラスチックごみについて、ペットボトル以外にも、弁当などの容器やレジ袋などが調査で確認されている。国は、マイバッグの持参など、消費者のライフスタイルの変化を促すことを目的に、昨年七月からレジ袋の有料化を始めましたが、レジ袋が無料で配られなくなった代わりにプラスチックのごみ袋を購入する人もいるし、エコバッグの生産も増えていると思われます。有料化にして一年が経過したものの、エネルギー使用量やCO2排出量等の観点も含め、トータルの環境負荷について効果検証がなされていないように感じます。
使い捨てプラスチックごみの削減に向けては、消費者にさらなる行動変容を促し、レジ袋以外にもプラスチックごみを削減していくことが必要であると考えますが、大阪府はどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
柏木出 資源循環課長:
国が実施したアンケートでは、レジ袋の有料化前からプラスチックごみ問題への意識が高く、行動していた人が約3割おり、これが有料化をきっかけに約6割まで増えた一方で、いまだに行動や意識に変化がない人が約4割いることから、行動を起こす人をさらに増やしていくことが重要と考えています。
使い捨てプラスチックごみ削減に向けましては、府は、これまで、おおさか3Rキャンペーンを通じて、ごみを出さないリデュースを中心に府民啓発を行ってきました。本年10月には、食料品や飲物、洗剤などの日用品をマイ容器やマイボトルで持ち帰りが可能な店を検索できるウェブサイト、Osakaほかさんマップを都道府県で初めて開設し、府民のマイ容器などの利用促進を図っています。
今後とも、これらの取組を通じて、今あるものを大切に使い、使い捨てプラスチックごみを出さないライフスタイルを提案し、府民の意識を高め、持続可能な資源循環型社会につながるよう行動変容を促していきます。
エコ行動を継続することの重要性を発信してほしい
西村日加留:
レジ袋について触れさせていただきました。
消極的と思われますが、私は、どちらかと言えばレジ袋有料化は賛成で、道半ばだと思っております。しかし、現状は環境施策につながっていないのが非常に残念であります。
日常会話で出てくるビニール袋とポリ袋の違いの解釈、日常生活で見かけるプラスチックフィルム製の袋、食品を包装している袋や買物袋などはポリ袋です。一般的にビニール袋と呼ばれている多くのものは、ポリエチレンやポリプロピレンでできているもので、ポリ袋と呼ぶのが正しいです。レジ袋はポリエチレンで、エコバッグの多くはポリエステル、さて、どっちがエコなのかというところなんですが、エコバッグの大きさにもよりますが、エコバッグを一つ作るのにレジ袋二百枚分のCO2を排出しているとも言われています。また、レジ袋は使用済み石油を使っているのに対して、エコバッグは新たな石油から作られています。
行政も、このレジ袋有料化の前から、エコバッグ等を配る機会、何かにつけてエコバッグを配していることが私も目につきますが、その受け取ったものを見ると、やっぱり国産品でもないですし、そのエコバッグがどのように作られているかというのもちょっと不思議なところなのではありますが、私は、やっぱり環境施策といいますから、ただ単純にエコバッグはエコなんだという考え方ではなくて、もう少し丁寧に、エコバッグはエコではないが、エコバッグを使い続けることがエコになるというような考え方。
だから、エコバックをただ配るのではなくて、今持っている自分の家にあるかばんであったり、今まで使ってきたかばん等を利用して、購入するのではなくて、そういうのを使って環境にやさしい社会をつくっていくというような発信もしていただけたら、本当にちゃんと理にかなった環境施策になっていくと思いますので、だからこそ、レジ袋に関しては道半ばと思います。
この一年、私も確かにそうなんですが、便利なエコバッグを買いました。何年か分かりませんが、これをずっと使い続けることによって環境施策につながっていくというようなことが大切だと思いますので、そのようなこともぜひ発信していただきますようにお願いいたします。
私の質問を終わります。ありがとうございました。